朝起きてテレビのニュースを見ていたら、コミケ会場が暑くて大変!という映像が流れていた。

次の瞬間、僕は国際展示場前駅にいた。
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夏に行くのは初めてだったので、タオルと着替えを持ち、スーパーで2Lのアクエリアスを買うなど、対策をばっちりとった。

遅い時間に着いたのでとくに並ばずに入れた。

そして終了時間の午後4時までひたすら会場内をうろうろした。
西ホールに入ったらそこをひたすらぐるぐる回った。
そのうちに足が痛くなり、別ホールの企業ブースやコスプレ広場に寄る力を失った。

目的も何もなく、頭の中も空っぽだったのでただうろうろするしかなかった。
アクエリアスを飲むだけだった。

何をしにここへ来たのだろうか。
そう、僕はただ夏の思い出が欲しかったのだ。

それならばコミケじゃなくても良かったのか?

いや正直に言うと、とあるニコ生主(ニコニコ動画で生放送してる人)のCDを記念に買おうかと思っていた。
だが結局買わなかった。

その人は可愛いらしい声を武器にしたいわゆる「萌声」主であるのだが、なんかそういうものを聴いているからいつまでもこんな人生なのではないか、もしかしたらキモいのではないか、という思いが芽生え始めてきたところであったし、これは重要な理由だがとくにその人の曲が好きなわけでもなく、それを買ったところで何かしらのフラグが立つというような現実世界の変革が訪れる可能性があるわけでもないからして、とにかくある種の虚しさを感じていたのだった。

それは僕の成長と言えただろうか?

僕は買わなかった。
結局何も買わなかったのだ。

終了の時間が近づき、半数のサークルは店じまいをしていた。
それでも僕はフラフラと歩きまわり、並べられている同人誌や人形や雑貨たちを眺めた。
なにか欲しいものが見つかるかもしれないと思った。
しかしあまりアニメに関する知識もなく、よく分からなかった……。

終了時刻の午後4時になるとともに会場内にいる参加者全員が一斉に拍手を始めた。
広いホールを水槽にして大きな拍手の音が渦を巻き、誰かが「さあ現実世界に帰ろう!」と叫んだ(実話)。

その瞬間の一体感に僕は不覚にもゾクゾクしてしまった。
胸の中に暖かいものを感じた。
そういう体験は久しぶりだった。
足の疲れも幾分和らいだ心地だ。
僕はなにも買わなかったが、満足して会場を去ったのだった。


そのあと目白駅で降りたらゲリラ豪雨に遭い、駅で立ち往生した。
ブックオフに入り、マックに入った。
目白のブックオフもマックも地元とぜんぜん違う……アダルティだ。

とくにマックが静かでびっくりした。
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中高生とかヤンキーがいないのだ。
渋谷とかとは比べ物にならない。
人が少ないだけかもしれないけど……。
こんなマックは初めてだった!


ついマクドナルドについて熱弁を奮ってしまったけど、とにかくこの日、コミケに行って僕の夏は終わった。

さあ、現実世界に帰ろう。
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