午前中に外に出た。
たまにポツリと雨が降ってきたけど街路樹の下を歩けば何も感じなかった。

電車に乗った。

用を済ませた。
ひさしぶりに駅で蕎麦を食べようかと思った。

肌寒いし、たまには温かい蕎麦を食べるもいいだろう。
稼ぎもないのに、こんな高いものを食べても良いのだろうか……迷う。

いや、食べよう。
このうつうつとした日々のなにかが変わるかもしれない。

「かき揚げそば人気ナンバーワン!!」と言う字が大きくポスターに書いてあった。
自分はかき揚げが好きではない。
しかし、今日はこれを食べなければいけないと直感で思った。
ほんとはたぬき蕎麦を食べたいし、比較的安いからいつもたぬき蕎麦を食べてるけど、三十円しか違わないし、かき揚げそばが食べたければ食べてみても良いのではないだろうか。

財布を見たらキラキラした五百円玉があったので、機械に入れた。
かき揚げそばのボタンを押したらぽんっと食券が出た。
お釣りが出たので財布に入れた。
ドアをスッと開けて静かに店に入り、かき揚げそばの食券をおばちゃんに渡した。
かき揚げそばがすぐに出てきた。
それを慎重に持って窓際の席に座った。

リュックを隣の椅子に置き、窓越しに街を見下ろした。
雨が降っているような、降っていないような微妙な空模様だった。
街を歩いている人も傘を差そうか差すまいか迷っている。

自分の目の前には湯気の立った温かい蕎麦がある。
雨に打たれる街の人達を見下ろしながら、自分はこんな温かい蕎麦を食べるのだ。
罪悪感もあるが、仕方ないことである。
こんなことで罪悪感を感じていては人生やっていけないぞ。
さあ食べよう。
赤い箸で焦げたような色のかき揚げを口に運んだ。
やっぱりこれ好きじゃないわー、と思った。

汁の味もただ濃いだけのように感じた。
ひさしぶりに来てみたが味が落ちているじゃないか。
まあ美味しいって言ったら美味しいけどなあ!?もぐもぐ。
またしばらく来ないぜ!?


完食して店を出た。
特急に飛び乗った。
雨が霧になって降り始めた。
腹は満たされていた。眠い。

図書館で本を借りて、缶コーヒーを買おうか迷って結局買って飲んだ。
そしてまあまあスッキリした気持ちで家に帰った。
image